研究論文PDFを年・著者・短い題名・状態で整理する
論文やプレプリントを統一した名前に変更し、監視フォルダと名前変更後のルールで整理する手順です。
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NameQuick 3 はMacとWindowsで、学術誌論文、プレプリント、会議論文、学位論文、ワーキングペーパー、データベースから取得したPDFを整理できます。まず候補を確認して名前を変更し、必要に応じて監視フォルダで継続処理します。
NameQuick 3 のアプリ画面は英語で表示されます。このページでは操作名を画面の表示どおり英語で示し、初めて出てくるときに日本語の意味を添えています。
ファイル名の形を決める
例の人名・社名はすべて架空です。拡張子は変わりません。
| 変更前 | 変更後 |
|---|---|
paper.pdf | 2024_Smith_Neural-Networks-Healthcare_Published.pdf |
download (3).pdf | 2023_Jones_Climate-Model-Review_Preprint.pdf |
1-s2.0-main.pdf | 2024_Chen_Quantum-Error-Correction_Published.pdf |
thesis_final_v2.pdf | 2022_Brown_Urban-Heat-Islands_Accepted.pdf |
基本形は year_author_title_status です。刊行年4桁、筆頭著者の姓、意味のある3〜6語をハイフンでつないだ題名を使い、状態は文書に明記された場合だけ加えます。掲載誌・会議名や文書種別は任意です。全著者名、題名代わりのDOIや長い識別子、推測した年・掲載先は入れません。
特定著者の資料集なら author_year_title も便利です。すべて刊行済みなら状態は省けます。日本語の題名も使えますが、文字種が混在すると意図しない並び順になることがあります。
プリセットを作って試す
Presets(プリセット)→ New Preset(新規プリセット)→ Filename template(ファイル名のパターン)を開きます。 Add part(構成要素を追加)→ New field…(新しい項目…)で Year、Author、Short title、Status を追加します。
各項目の Add instructions for this part(この項目の指示を追加)に条件を書きます。年は「ダウンロード日ではなく文書に印刷された刊行年」、著者は「筆頭著者の姓を原文の綴りで使い、創作しない」と指定します。区切りを _ にし、 Use for all gaps(すべての区切りに使用)で統一します。
If not found(見つからない場合)は、年・著者なら Skip file(ファイルをスキップ)で確認待ちにするか、 Use text(代替テキストを使用)で Unknown を指定します。題名は Skip file、状態は Leave out(省略(任意))にします。
代わりに Written instructions(文章で指定)を使う場合は、次を貼り付けます。
year_author_short-title_status の順にし、要素を _ で区切る。
year: 文書に印刷された刊行年4桁だけを使い、ダウンロード日や推測の日付を使わない。
author: 筆頭著者の姓を原文の綴りで使い、名前を創作しない。
short-title: 題名を意味のある3〜6語に短縮し、語を - でつなぐ。DOIや長い識別子を題名の代わりにしない。
status: 文書で確認できる Published、Draft、Preprint、Accepted のみ。なければ省略する。
年か著者が不明なら Unknown とする。題名が不明ならスキップする。
全著者名や推測の掲載先を足さず、拡張子は変えない。
Test this Preset(このプリセットをテスト)→ Choose a sample file…(サンプルファイルを選択…)→ Test Preset(プリセットをテスト)で、実際の論文3〜5件を試します。プリセットの有効な編集は自動保存されます。
文字情報のあるPDFはテキストとして読みます。Managedでは15ページ超のPDFは先頭15ページだけを送り、 History(履歴)の処理記録に Partial document sent(文書の一部を送信)と表示されます。題名欄は通常1ページ目なので影響は小さいものの、後半にしかない情報には注意してください。
一度だけまとめて名前を変える
先に Settings(設定)→ Renaming(名前変更)→ Apply suggestions from files you add(追加するファイルの候補の適用)を Review(先に確認)にします。 Quick Rename(クイックリネーム)の Review before applying(適用前に確認)も同じ設定です。
今回はテスト済みプリセットを選びます。 Smart Rename(スマートリネーム)を使う場合も、選択はファイル追加前です。モードと適用設定は追加時点で記録されます。PDFをドラッグするか Add files(ファイルを追加)で Quick Rename に入れ、候補をすべて比較します。例えば Apply 4 names(4件の名前を適用)なら、準備済みの4件をまとめて適用します。
行ごとの編集や選択分だけの適用はできません。不備があれば適用せず、処理完了後に Clear(クリア)で一覧だけを空にします。ファイルは消えません。プリセットを修正・再テストし、新しいコピーを追加し直します。
監視フォルダで継続的に取り込む
Settings → Folders(フォルダ)→ Add folder(フォルダを追加)で、空のテスト用フォルダを接続します。処理モードはテスト済みプリセット、適用方法は Hold for Review(確認待ちにする)にします。接続時に既にあるファイルは基準扱いで、名前変更されません。接続後にPDFを入れて試します。
候補はサイドバーの Review(確認)に届きます。1件ずつなら Apply this name(この名前を適用)か Apply and next(適用して次へ)を使います。名前をその場で編集したら Apply edit(編集を適用)です。チェックした3件なら Apply selected (3)(選択した項目を適用(3件))、元の名前を残すなら Keep original (3)(元の名前を保持(3件))を使います。
承認すると、名前変更後のルールによる移動も実行される場合があります。結果が安定してから Apply automatically(自動で適用)へ切り替えます。NameQuickの起動が必要です。Macではウィンドウを閉じても動作しますが、Windowsでは閉じると終了するため最小化してください。
名前変更ごとに処理記録が残ります。 History の Undo(取り消す)や Undo all 4(4件すべてを取り消す)は、記録された名前変更・移動を可能な範囲で戻します。元の場所に別のファイルがある、対象が移動・削除済み、他アプリで開いている場合などは失敗することがあります。取り消しのやり直しはできません。
任意:名前変更後に振り分ける
Rules(ルール)の After a file is renamed(ファイルの名前変更後)は監視フォルダ内のファイルだけが対象で、 Quick Rename には働きません。判定対象は完成後の名前などのファイル属性で、本文や文書の状態ではありません。分類したい語をプリセットで名前に入れます。
新規ルールは有効な状態で作られるため、設定中は Disable(無効にする)にします。有効な編集は自動保存されます。
移動は Move the file(ファイルを移動)→ move it into a folder(フォルダに移動)を使うと、新しい名前を維持できます。必要なら is in(場所:)で監視フォルダを限定します。
| ルール | 条件 | 動作 |
|---|---|---|
| 要確認 | name contains(名前に含む語句:) Unknown | Research/Review に移動 |
| 未刊行 | name contains _Preprint, _Draft | Research/Preprints に移動し、 Set tags(タグを設定)で To-Read |
| 2024年 | name matches(名前が一致するパターン:) ^2024_ | Research/2024 に移動 |
name contains はカンマ区切りのどれか1つに一致すれば対象です。年別は年ごとに1ルール必要です。{year} は処理年であり刊行年ではないため、ここでは固定フォルダを指定します。分野別は Topic 項目を名前に足し、分野ごとに1ルール作ります。状態語を日本語にする場合は検索語も合わせます。
Proof(検証)で確認してから有効に戻します。 Settings → Renaming の Run all matching Rules(一致するすべてのルールを実行)は初期状態でオフなので、最初に一致したルールだけが動きます。要確認、未刊行、年別の優先順にしてください。
タグはMacではFinderタグになり、WindowsのPDFでは History 内だけに残ります。ルールの詳細も参照してください。
文献管理ソフトへ渡す
整理したPDFを文献管理ソフトの取り込み用フォルダへ渡し、書誌情報と引用はそちらで管理します。他アプリも名前変更するフォルダを、NameQuickの監視先にしないでください。
よくある質問
著者と年はどう見つけますか?
題名欄や刊行情報の行を読みます。不明なら If not found の選択に従いますが、モデルは読み違えることもあるため原文と照合してください。
明確な題名がない場合は?
Short title の If not found を Skip file にして、自分で名前を付けます。
スキャンや2段組の論文も読めますか?
スキャンPDF(例:scan_001.pdf)や紙面の写真は、AIモデルがページ画像を読みます。命名用の独立したローカルOCR処理はありません。2段組や不鮮明なスキャンは難しく、確認が必要です。ローカルモデルではスキャンPDFを最大3ページの画像にするため、画像対応モデルが必要です。
Zoteroの代わりになりますか?
なりません。引用の検証、参考文献一覧の作成、撤回状況の確認は行いません。Zotero、Mendeley、Papersなどを引き続き書誌情報の管理に使ってください。
プライバシー:ManagedはNameQuickのEUクラウドで処理し、AI学習には使わず、処理後に削除します(遅くとも24時間以内)。Self-Managedのクラウドキーでは選んだ提供元へ直接送信します。ローカルモデル(Mac・WindowsのOllama、LM Studio、Apple Silicon MacのMLX)は端末内で解析しますが、インストール、ダウンロード、ライセンス・更新確認にはインターネットを使います。データの取り扱いを参照してください。